kissa*almanakka

かつて勤務していた学校でも、現在の塾でもいじめられっ子がいます。
恐ろしいことに、いじめは教室だけにとどまらず職員室にさえあります。
大人になっても、教師になってもそんなことしている人は
厭な、ほんとうに、いや〜な人相になっています。
どんな権力を振りかざしても、そこに人望はありません。

そんな大人にならないでくさい。
命あるものをいじめたり、嫌がらせをしたりする者は
人としての形を維持できない、醜い生き物になってしまいます。
だから、自分より弱いものには優しくして。

子供達の中で起こるいじめは、ある日突然そこに現れます。
もしかしたら、明日は自分かもしれないと恐れを感じつつ
氷の上を刃ですべるような危うさがあります。
でも、いじめをみかけたら大声で知らせてください。

いじめられる側にも、なんらかの原因はあるのかもしれません。
でも、
夜道をタンクトップとミニスカートで歩く女の子がいたら
襲っていいのですか？　　　

ダメです。

赤信号を渡るお年寄りは轢いてもいいのですか？

ダメです。

悪さをする不良少年なら私的に制裁を加えてもいいですか？

ダメです。

どんな言い訳をしてもしちゃいけないことはいけない。
相手がどんな人でもいじめてはいけないのです。
いじめられている人たちは、自分に対して強くなってください。
死んではいけないのです。

学校は命がけで行くところではありません。
いじめられていることを、いじめられている人がいることを
周囲の大人に知らせるのは「チクリ」でも「告げ口」でもありません。

大声でＳＯＳを出してください。

勉強なんかできなくても、少々言うことを聞かなくても
笑顔で学校に行ってくれることは、親にとってどんなにありがたいか。

学校なんかいかなくても、そこに生きていてくれることが
親にとってはどんなに幸せか。
だから、いじめられたら逃げてください。
そして生きていきましょう。

人間は弱いものだけれど、怒りの矛先を関係のない人に向けては
いけません。
自分のやるせない思いをいじめという形で友人に向けてはいけないのです。
だから、いじめないでくさい。
命を追い詰めたりしないでくさい。

かつて子供だった者として
子を持つ親として
教育に携わった、いまもその一端に身をおくものとして
わたしには何ができるのでしょう？
答えはまだみつからないけれど
これだけは言えます。

命と秤にかけて、それより重いものはない。
手紙の差出人に笑顔が戻りますように。