金曜日、職場の事務室に音もなく誰かが入って来ました。
「こんにちは」も「失礼します」も「すみません」もなく・・・
見れば二十歳前後の今時の女子。
わたし「なにか?」
女子 「ここぉ〜募集とかぁ〜してないんですかあ?」
わたし「(入塾希望か!)はい。しておりますよ。
失礼ですが何年生でいらっしゃいますか?」
女子 「えっとぉ〜ここぉ塾ですよねぇ〜?」
わたし「はい。(ちょっと訝る・・・・」
女子 「バイトとかぁ〜募集しないんですかぁ?」
わたし「講師希望の学生さん?」
女子 「え?あ。はいぃ。」
わたし「ご専攻は?」
女子 「えっとぉ〜文系なんですけどぉ」
わたし「(専攻を聞いてるのに・・・)そうですか。
授業は何が出来ますか?」
女子 「えっとぉ〜文系なんですよぉ」
わたし「(会話になってないよっ!)文系でも
得意分野とか、あるでしょう?」
女子 「文系なんでぇ・・・・」
わたし「(質問の仕方が悪い?)文学部の何学科ですか?」
女子 「へ?えっとぉ・・・文系でぇ」
わたし「(オマエは壊れた機械か?)学科はなあに?
日文科とか英文科とかあるでしょ?」
女子 「あ。えっとぉ〜初等教育っていうんですか?」
わたし「(あたしに質問するんじゃない!)そうなの?
小学校の先生になるのね・・・」
女子 「え?あ?あぁ・・・・」
そこで上司を呼びに行く・・・・
上司は奥の教室で髭剃り&お昼寝中
で、上司は彼女を連れて奥の教室に戻ること20分。
出てきた時には、
今日の小学生の授業してもらうことになった!
は?研修もなしに?いきなり授業?
前代未聞ぢゃん?
ぶっつけ本番の授業のために、せっせと虎の巻を作る上司。
まぁ、ひどい授業だったようです・・・・
が、上司
「中3の授業とか、あの娘にやらせられないかなあ♪
」
勝手にどうぞ?
わたしに負担はかけないでくださいね。
「いや、別に採用するわけじゃないし・・・・」
と、いいつつ昨日ニコニコと女子登場。
上司、嬉しそうに彼女同伴で講師に紹介して回る。
弱冠19歳!
挙句、
「明日から小学4年生やってもらうねーん。
いろいろ協力してサポートしてあげて。」
はぁ〜〜〜〜〜?
頭がぱあのちととはちょっとお話できまちぇんよ!
なんで、わたしがサポートなんですか?
「自分、経験者だし、小学生の女子との接し方とか
授業の進め方とかさあ〜教えること、いっぱいあるだろう?
協力して準備とかしてやってな!!」
ちびまるこちゃんの花輪くんみたいな表情でへらへらと嘯く・・・
「いずれは中3とかやってほしいなぁ〜。
中2と中1はクセあるからしんどいからねぇ」
はぁ〜〜〜〜〜????
そのどっちもあたしはやってるよ?
そもそも現中3は小6の時から手塩にかけて、唯一中学進学時に
よその塾に流れなかった学年なんですよ?
ここまでにするのに、どれだけ大変だったか解ってます?
やっとまともな学年が育って、とうとう受験を迎えようとしているんですけど・・・
それをあの女子に?
「子供好きだっていうからさぁ〜きっと楽しく授業するなぁ
」
ばっかぢゃないの?
これがね、公立の小中学校だったら
『みんな違って、みんないい!』んです。
でもね、ここは塾。
成績をあげる、志望校に行かせる、未来の夢を現実にしてあげるために
必死で授業をしているんです。
親御さんだって、そのために安くない授業料を払ってるんですよ
「やっぱ、女は可愛かったらいいねん!
顔と性格がさ
素直で男の言うこと聞く娘が一番いいなぁ」
だから、オマエのお気に入りはワースト1の公立高校も落ちて
これ以上下がない偏差値と生活態度の学校しかは入れないんだよ・・・
「あ。いじめないでよ。可愛いからって。ムフフフフフ(意味不明の爆笑」
では・・・・
今から生徒とロリータちゃんのお世話をしに出勤します・・・
ええ、そうですとも。お局になってやりますわ
Σ( ̄□ ̄;)
※御局様:職場で勤続年数が長く、特に同性の同僚に対して力を持っている女性のこと。